

小学5年生の時、交通事故で奇跡的に生き残ってから良い事が一切なくなった叶。
その代わり、自分の周囲にいる人達は必ず良い事があるため、叶を利用しようとする
人も少なくなかった。
そんな時に出会った八雲という青年。
彼は自らを疫病神と名乗り、自分の姿が見える叶に興味を持つ。
だけど叶は気づいていない、八雲と名乗る疫病神が自分と深い関わりを持つ相手だと
いうことに――。
女子高生と疫病神のドタバタラブコメディ。
小学5年生の時に死んでもおかしくないほどの交通事故に見舞われたが、
主人公(神 叶―ジン カナエ)は奇跡的に生還した。
だが、まるで運を使い果たしたかのようにそれから一切良い事がなくなった。
しかし、そんな叶を理解して、いつも心配してくれる友人(冴島 悠里―サエジマ ユウリ)が支えてくれた。
ある時、叶は悠里と買い物をしていると妙な男を見かける。
まるで時代劇に出てくる忍者のような着物を着崩した人間離れした美しさを持つ男。
何かの撮影だろうと気にしない事にしたが、自宅に戻ると、何故かその男が家にいた。
男は自らを疫病神だといい、名前を八雲だと名乗る。
そして八雲は叶に言う。
「お前、6年前の子供か」
八雲は語る。
叶になぜ良い事が起こらなくなったのか――。
それは交通事故で死にかけた叶を助けたのが、八雲だったから――と。
疫病神の力を借りて助かったため、叶は常に疫病神の力を纏って生きている事になる。
だから決して良い事が起こらず、その代わりに他人に運をまき散らす体質になったのだと。
いつかこんな不幸な体質から逃れられると思っていたのに、決して逃れる事が出来ないと知り、叶は絶望する。
そんな時、追い打ちを掛けるかのように親友・悠里から告げられた言葉。
それは叶がずっと想いを寄せていた男性から付き合って欲しいと言われているという事。
悠里が裏切ったわけじゃないと分かりつつも、悠里を恨まずにはいられず、叶は家を飛び出す。
その時、叶は運悪く車に轢かれてしまう。
薄れていく意識の中で、小学生5年生の時、八雲と出会った事を思い出す。
(八雲は幼い叶に忠告をしていた、生き返る事は出来るけど決して良い事のない人生を歩む事になる――と)
(だけど叶は自分自身で「それでいい」と言って、生き返る事を望んだ)
叶は意識を取り戻し、不幸体質になる事を自分で望んだのだと思い出す。
そして、叶は吹っ切れる。
(叶の初恋は八雲であり、想いを寄せていた相手は少しだけ八雲に似ている事に気づく)

美沙は高校の修学旅行中に時空を超えてきた新撰組に追われる。そこで、同じく
時空を超えた坂本龍馬に助けられるものの、途中でふたりともがタイムスリップ
してしまう。ある男に拾われて手当を受けていた美沙と龍馬。
やがて、ふたりは
そこが三国志時代の中国であり、自分たちを助けたのが稀代の軍師と言われる諸
葛孔明だと知るのだった。しかも、飛ばされてきたのは、どうやらふたりだけで
はないらしい。曹操軍には新撰組がつき、孫権軍には高杉晋作たち長州勢がつい
ていることを知る。
新撰組は曹操軍をそそのかし、孔明を三顧の礼に迎えられる
前に暗殺しようと兵を指し向けてくる。
三国志時代に迷いこんだ幕末の志士たち
は、それぞれが潜り込んだ勢力図の中で、自分たちの生きる道を探し、歴史を作
り変えていく――。
ふたりしてこの家の主人に助けられたらしい。が、その男の名は諸葛孔明(三顧の礼の前)と名乗った。
ふたりは、そこで自分たちが三国志の時代へとタイムスリップしたのだと知る。
孔明はかなり自信のないタイプで自信まんまんの龍馬を慕っていった。
そんな孔明のところへと曹操軍についていた新撰組たちが襲ってくる。
孔明が灌漑用に作っていたダムを主人公と龍馬は協力して壊して、敵を流す。
この時に敵の目をそらすために、スマホの音を利用したりする。
一環して、龍馬は主人公をかばい守るので、主人公は龍馬を頼りに思っている。
水の策略によって、一時は部隊を退けるが、別に分けていた部隊が襲ってきた。
そこへ駆けつけたのは劉備軍を率いていた桂小五郎。
そのおかげで、新撰組曹操軍を引き返す。
桂はそこで孫権軍に高杉晋作がいるらしいと告げた。
そんな話をしているときに、劉備が孔明を軍師に迎えるべく馬をおりて、そばへと来る。
龍馬と主人公は孔明について、劉備軍へと行くことになる。
叶になぜ良い事が起こらなくなったのか――。
それは交通事故で死にかけた叶を助けたのが、八雲だったから――と。
劉備軍は荊州に落ちつく。劉備は主人公のことを気に入るが、龍馬のことも気に入ってるので大切にふたりをもてなす。劉備は妻をなくしたばかり。そんな劉備を主人公は現代から持ってきた姪のおみやげ用に買っていた花火でなぐさめる。孔明は相変わらず、頭はいいものの、自信なさげなので、それを龍馬がフォロー。孔明と主人公は女友達のような雰囲気。
一度曹操軍が軽くけんせい的に攻めてくるけれど、それを主人公の持っていた花火で驚かして撤退させる。
そのうち本格的に曹操が攻めてくることは確実なことから、孫権軍と手を組むことの提案も龍馬と孔明のふたりで劉備に提案する。しかも、龍馬と孔明と主人公の3人だけで孫権軍へ説得しに行くとなる。
劉備の主人公への気持ちが強くなっているため、離れようという考えも龍馬にはあった。
主人公も劉備の優しさは身にしみるものの、龍馬に惹かれている自分を感じている。
孔明は兄が孫権軍の軍師であること。また龍馬は孫権軍に高杉晋作がいるということを確かめたかったのだ。
いざ孫権軍の呉へと入ってみると、周瑜と呼ばれている人が高杉晋作だということがわかった。
高杉周瑜と会談をする龍馬、主人公。高杉は周瑜はすでに死んでしまったと告げる。
「殺したのか?」と迫る龍馬に高杉は「歴史通りには動いていない。動かすつもりはない」と打ち明けた。
そして、「この時代を動かせば、幕末の歴史も変わると新撰組は思っている。だから、あいつらは赤壁の戦いで曹操軍を勝たせようとしている」とも。その一環として、周瑜は新撰組に暗殺されたと言い、その代わりに自分が周瑜となったことを教えられた。自分たちは協力して新撰組にあらがい、歴史通りに動かそうと言うことで協定がなる。
未来の知識を持つ主人公を差し出せば、戦いをしないと言う曹操軍の申し出があるが、それは龍馬が完全に拒否。
そのときに、龍馬は主人公を誰にも渡したくないという気持ちを覗かせる。
有名な10万本の矢を手に入れるエピソードもあるが、新撰組がそれをわかっているために、孔明と策を練る。
恐怖は命令を無視させるとして、孔明と主人公は相談して船の上に大きな気球をあげる。
新撰組から矢を放つなと言われていた曹操の兵も得たいの知れない空からの物体におののいて矢をいかける。
その矢をまんまと持ちかえることができた。
帰ってみると、孔明と両翼をなすと言われたホウ統が来ていると言われる。
龍馬と主人公、孔明、高杉周瑜で面会するとホウ統の隣には勝海舟がいた。
ホウ統は勝海舟とすっかり意気投合していた。そして、海舟は「歴史を変えようとする新撰組を阻止できれば、元の世界へ戻れるはずだ」と言う。古い歴史書にそういう記述がある、と。
が、新撰組は戻る気はなく、曹操軍を勝たせることで、後の幕府滅亡を変えようとしていることも教えられる。
となると、赤壁の戦いも予定通りにはいかない。恐らく船同士をつないで火で攻める方法は新撰組からバレているとなり、他の方法を探ろうとなる。
それを考えてる間に、龍馬は主人公に「この戦いが終わったら言いたいことがある」と恋心を匂わす。
そこで、燃えやすい塗料(ベンジン?揮発性の燃料)を主人公のアイディアで敵の船に普及させようということになる。その作戦でいこうと、海舟とホウ統は曹操軍へと味方のふりをして潜り込む。が、その見送りに行っていた主人公は新撰組にさらわれてしまう。主人公が持つ未来の知識を狙われて、捉われてしまったのだ。
孔明の天候を読む能力も発揮され、赤壁の火計は成功し、その火の中、龍馬に助けられる主人公。新撰組と対戦する龍馬だが・・・・・・・・・・
東の端にあるその国に新しく神が生まれた。
同時に御子も生まれ、大人たちは彼らを利用しようとした。
しかし、その神は人の手に負える存在ではなかった。
結界で国自体を覆い封じ込めた――
結界に覆われたその国では忘れられた不思議が息づくようになる。
科学と不思議が混在する国で生まれた人型兵器、操縦者の少女たち、特殊な能力を持つ少年たち、彼らを利用する大人たち――
――あの頃を思い出すようなジュブナイル小説。
小さな世界には、人と、神さまと、人形と、たくさんの存在が生きています。
けれど、大きな戦争が続いていて、小さな世界では毎日たくさんの命が失われています。
世界のためにいる神さまは、それを悲しく思っています。
それでも希望を失いません。
生きるもの、あるものすべてのためにいるのだから。
そんな小さな世界にある人形の少女が主人公の、切なくも小さな希望が光る童話風の物語り。
「私」は「悪夢」を見た。
「それ」は「現実」を「浸食」する。
「それ」は「悪夢」を「浸食」する。
「私」は「それ」を「ただ」その場所で「見て」いた。
記号のように語られる物語りの「現実」はどこにあるのか。
不可思議なナイトメアワールドにようこそ。
4つの世界の人の時代の終わりの物語り。
そんな時代に生きる少年と少女に、運命はそれぞれの役目を担わせる。
希望や絶望の先に彼らはどう生きるのか。
大人たちの願いに彼らはどう答えるのか。
おとずれた黄昏の時代に起きた4つの小さな出来事をまとめた短編集。
お兄ちゃんのことが好きです。
血は繋がっていないし、歳もずっと離れているけれど、わたしのお兄ちゃんです。
お兄ちゃんは人を殺すお仕事をしています。
お兄ちゃんは戦場で人をたくさん殺しています。
わたしはただ……
部屋でお兄ちゃんの帰りを待つ毎日です。
お兄ちゃんもわたしも、本当の家族から見捨てられた子です。
これはそんなわたしとお兄ちゃんの大切な思い出のひとかけらです。
――幼い少女と青年の純粋で幻想的な物語り。
少年は兵士だった、少女は魔女といわれ利用されていた。
――世界は2人に残酷だった。
軍に所属する青年は聖夜に小さな希望を見つけた。
――世界は彼に微笑んだ。
彼女は星に生まれる主人公たちをすべて食べてしまう。
――世界は生きるために人を利用する。
3つの物語りを集めた短編集。